最近、Passenger Assistanceウェブアプリの立ち上げを発表することができ、大変誇りに思います。Passenger Assistanceは2021年からモバイルテクノロジーとして存在しており、最近ウェブ版の立ち上げを完了しました。すでに総合的モバイルソリューションがあるのに、なぜウェブ版が必要なのかと質問する人もいました。
その質問に答える前に、私は別の質問を逆にしたいです。「なぜ、すべてのモバイルツールには関連するウェブ技術がないのでしょうか?」
テクノロジー部門の多くがモバイルアプリ開発に注力し、その悪影響に気づかず、デスクトップやラップトップからの移行を進めています。つまり、主要開発の大部分は、モバイルデバイスを使用しない、あるいは使用できない人達でも製品を利用・アクセスできるようにすることの重要性を見落としています。アクセシビリティを必要とする全ての人達が、デジタル製品にアクセスできるために、やるべきことはたくさんあります。
多様なアクセシビリティニーズを持つ利用者層にサービスを提供できることが、とても嬉しいです。視覚障碍者、身体障碍者、認知障害者、そして障碍者のケアやサポートを行う人たちが数多く、当社のテクノロジーを利用しています。アクセシビリティが制限される人たちにとって、電車の旅をより簡単でシンプルなものにする、当社の提供サービスの性質上、利用者は必然的に当社のアクセシビリティに関する決定に大きな影響を受けます。ですから、利用者の声に耳を傾けた上で、モバイルテクノロジーと並ぶウェブアプリを提供することが不可欠なのです。
「デジタルライフライン」の影響評価で発表された英国国家統計局の推計によると、障害者の15%がオンラインを利用したことがありません。さらに、身体障害や経済面の観点から、モバイル機器は障害者にとって利用しにくいものとなっています。悲しいことに、障害者は統計的に貧困の影響を受けやすい立場です。つまり、新しいモバイルデバイスにアクセスできる可能性が、他の人よりも低いのです。
障害者にとって、鉄道の旅は面倒な点が多いです。切符の購入や駅の移動に加え、多くの障害を持つ人達が移動に関する助けを必要としており、スロープの使用、補助犬用の部屋、車椅子の置き場等、旅の各行程に適した援助を予約する必要があります。
当社のテクノロジーは、こういった旅行予約プロセスを一変させました。以前は面倒なプロセスであったものが、今では当社のモバイルツールで瞬時に完了することができるのです。そして今、新たにリリースしたPassenger Assistanceェブアプリでは、利用者が代替プラットフォームとして、ウェブサイトでサポートを予約できます。
モバイルアプリはウェブサイトとは異なりデフォルトになりつつありますが、ウェブサイトと違ってアクセシビリティ基準がないため、一部の人はアプリの使用や操作ができません。例えば、手先が不自由な人やその他の運動障害を持つ人は、デスクトップの方が使いやすく、モバイルデバイスでは苦労する可能性があります。介助者や個人アシスタントが、ウェブアプリでより簡単に介助を予約できます。
Passenger Assistanceウェブアプリは、さまざまなアクセシビリティニーズのある障害者の方々のご意見を参考に設計されました。
英国でのサービス開始以来、当社のアプリを利用するユーザーから、家族を訪ねたり、外出を楽しんだり、仕事に行く目的で、初めて自信を持って旅行したという、とても素晴らしい感想を沢山いただいています。
公共交通機関の目的は、世界中のすべての人が、快適で安心できる旅を自由にできるようにすることです。当社が提供する最新ウェブアプリ、Passenger Assistanceは、障害者や高齢者が旅行し、より自由を楽しむための機会をさらに増やし、より利用しやすいプラットフォームを提供します。
私たちは、障害のある人達が障害そのものではなく、彼らを取り巻く世界の障壁で不自由を被るという社会的モデルがあると信じており、モバイルアプリと今回のウェブアプリの両方が、さらに大規模な障壁を取り除き続けられるよう願っています。