12 月から 1 月にかけて、トレンドスポッティングが常に流行になる。オピニオンリーダーやインフルエンサーたちは、ビジネスや社会全般を問わず、この先の1年を決定づける大きな事柄に自らの評判を結び付けようとする。
「次なる大きなトレンド」に注目するあまり、人類を正しい方向に進める、小さいながらも重要な一歩を見逃す危険性がある。
そこで今回は、健康増進をサポートするスマートファブリックから、障害者の交通アクセス向上をサポートするテクノロジーまで、2023年に世界をより快適にする可能性を秘めたビジネスとカルチャーのマイクロトレンドを取り上げた。
私たちは、消費者としてより良心が働くようになり、購入する製品の背後にある倫理に関心を持つようになった。しかし多くの場合、私たちは個々の製品がいかに持続可能で倫理的かについて、ブランドが発する言葉を鵜呑みにするよう求められている。
私たちが2023年に期待する傾向としては、ブランドや生産者が消費者に確認して貰えるよう商品を手に取らせて、その製品がいかにサステナブルでエシカルかを消費者自身が確認できるようにすることだ。
プラチナ ジュエリーの消費者および貿易市場の開拓や、拡大、強化に専念する国際マーケティング組織、Platinum Guild Internationalは、見識のある消費者が検品を行えるよう、革新的な責任あるプラチナ ジュエリー ポータルを立ち上げた。
また、消費者がジュエリーへの投資について十分な情報に基づく意思決定を行えるよう支援したり、プラチナ業界が持続可能性の対処として講じる措置についての情報も豊富に用意している。
Platinum Guild Internationalの広報担当者は次のように述べた。「消費者はサステナブルやエシカルな製品にさらに注目しており、一部市場では、環境や社会にプラスの影響を与えるジュエリーを割高でも選ぶ傾向にあります。」
現在、世界で10億人もの人々がビタミンD不足に陥っていると危惧されている。査読を重ねた研究によると、世界人口の50%が、歯や、骨、筋肉を健康に保つのに必要な必須栄養素を体内で産生していないという。日常でよく起こり得る問題だが、日光を十分に浴びることができない人にとっては、より深刻な問題である。
ある革新的デザイナーが、科学とソーシャルメディアを駆使して、まだ日の目を見ないこの問題に取り組もうとしている。この春、元投資銀行家からデザイナーに転身したFi Paziana氏は、特許を取得した100%天然素材のオーガニックスマートファブリックVylet®️を使ったヒジャブなど、まったく斬新でシンプルなファッションの新シリーズを発表する。
Fi氏は、自身のビジョンを共有し、フィードバックを求めた初期のTikTokクリップのひとつが話題となり、120万回以上の再生回数を記録したことから、世界ヒジャブ・デーに合わせてブランドの立ち上げを加速させる決意を固めた。
発表に先駆けて、Fi氏は次のように語った。「新種のウェアが女性に与える影響をとても楽しみにしています。良質なカットやカラーの見た目で得られる本質的な喜びだけでなく、スマートな生地自体が身体的・精神的健康に与える好影響という利点もあります。
「この生地は、将来的に男性のシンプルなファッションやレジャーウェア等、多用途で広範に応用できるでしょう。まだこの追求は始まったばかりです。」
最近の 「ネポベイビー 」トレンドに少しでも注目していれば、世界で最も成功する裕福な人達の多くが、そのネットワークの力で現在の地位を築いていることを痛感するだろう。主に有名人の両親を持つ芸能界のセレブリティに焦点が当てられるが、これらのサブストーリーは、強力なコネクションやネットワークを持たない人々は、一流で競争の激しい業界にアクセスしたくても、不公平な不利益を被る。
英国を拠点とする起業家Sylvester Lewis氏は、オックスフォード大学でエンジニアリングサイエンスの修士号を取得後、金融業界に転身したが、この状況を変える使命を担っている。2023年には、職業と教育の機会の民主化を目指すメンタリングプラットフォーム、Coachcubeが立ち上がる。
発売を控え、Lewis氏はこう語る。「若者達にとって、仕事の世界は別世界のような感じがして、そこにアクセスしたり、利用したりしづらい雰囲気があります。
「個々の社会経済的背景に関連する特定教育機関や、仕事、分野が存在します。そのため、かなりの割合の英国人口がアクセスできなかったり、知らなかったりします。Coachcubeは、こういった障壁をなくし、すべての人がアクセスしやすい産業となるよう主導していきたいと考えています。」
世界保健機関は、世界人口の 16%、約 13 億人が障害者であると推定している。社会に参加・貢献するという観点で、障害者が抱える主要課題のひとつは、交通機関へのアクセスだ。
この問題の解決に取り組む組織のひとつに、Passenger Assistanceアプリ製作を行ったTransreportがある。2022年は、記録的な数の障害者が英国内をより自由に移動できるようになり、英国を拠点とするスタートアップ企業にとって画期的な年となった。そして2023年には、新たな地域や交通部門に技術を提供する計画もあり、さらに業務拡大する予定だ。
昨年、同社の創業者Jay Shen氏は自らの使命についてこう語った。
「アクセシビリティはすべての人の問題です。身体障害や認知障害のある人々の利用を便利にすることは、誰にとっても重要です。生まれつき障害がある障害者はごく少数である、ということを念頭に置くべきです。障害の大部分は後天的に起きており、多くの場合、障害は生後に発生します。そのため、公共交通機関を利用しやすくすることは、現在、将来を問わず重要事項です。
大企業が廃棄物に関して野心的な目標を設定するのは簡単だが、2023年に増加しそうなのが、すでに廃棄物目標を達成した、あるいは目標を上回ったと発表する企業である。イケアとデルモンテは、2022年に廃棄物を50%削減という目標をすでに達成したことを発表した2大企業である。
2023年に向けて、過去10年間中東で人気を博したスマート廃棄物追跡ソリューションが、世界中で人気が高まっている様子だ。一方で、預金返却制度などの行動変容のインセンティブが、地域レベルでの変化を推進しているようだ。