アクセシビリティ・包摂性マネージャーのエマ・パートロウをご紹介します。エマは、平等、多様性、人権に関する経験豊かな研究者で、教師でもあり主唱者でもあります。介助犬のルナと一緒に全国を旅することの多いエマは、3月22日にNaidex福祉機器展示会でセミナーを主催します。ここでエマは、ルナと一緒に列車や飛行機で旅する実体験に基づいてお話しします。
私は、障がい者である自分の実体験を通して、また障がい者の実体験に関する法制と政策のインパクトを中心とする10年間に及ぶ研究を通じて、アクセシビリティと包摂性を専門分野としています。間もなく博士号を取得し、引き続きこの分野で論文を発表していきます。
鉄道業界でアクセシビリティを専門とする仕事をした経験があり、過去には特に包摂性と多様性を中心とするさまざまな役割や研究プロジェクトを引き受けたことがあります。
英国の5人に1人は障がい者です。しかし2023年の時点で、この国には障がい者が直面する膨大な量のバリアが残されています。2021年の障がい者雇用率は52.7%で、健常者の81.0%と比較して明らかなギャップがあります。自分自身の研究を通じて、雇用問題に批判的な視点を持つようになり、企業が障がい者を雇用したいと言っても、自社に多様性を「付け加えて飾りたい」という理由が多い点に注意が必要だと思います。
現在の自分の役割について、Transreportの求人広告で「実体験」と「障がいの社会モデルを理解していること」が望ましいという記載を見つけたとき、Transreportはアクセシビリティと包摂性を優先課題としていることを知り、自分が障がい者というアイデンティティに誇りを持って入社できる企業だということがはっきり分かりました。Transreportの主力製品、パッセンジャーアシスタンスのユーザーだった私は、その製品が公共交通機関を利用する障がい者や高齢者にとってポジティブな違いを実現していることに気付いていました。しかし、この会社が生まれた経緯とその使命をさらに知るにつれ、包摂性とアクセシビリティが創立の原則であり、当社チームのすべての会話、意思決定、行動の根源であることに気づきました。
ここで働きたい、この企業の進む道に貢献したい、ということにすぐ気づきました。アクセシビリティと包摂性に当社が貢献しているから、というだけでなく、それが企業と職場全体の企業精神にどう反映されているか、障がいのある従業員にはどういう意味があるのか、という点が理由でした。
例えば、Transreportではフレックス勤務やリモートワークを優先します。それは自分にとって画期的なことでした。列車を利用するのは大好きですし、パッセンジャーアシスタンスのアプリのおかげで駅に着いたら必要な介助を受けられるという点でも、とても力づけられます。しかし、慢性疲労に悩まされる障がい者として、毎日通勤しなくてもよいという選択肢があれば、よりよい従業員として生産性を高められることになります。また、もちろん人生の中で最も重要なこと、例えば一日の終わりに娘に本を読んであげる、夫や友人、家族と時間を過ごすなどのエネルギーを残せるということでもあります。その結果、仕事と暮らしのバランスがよく、仕事に集中でき、やる気も高まることになるのです。